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カルシウム不足が続くと起こる13の症状・病気とそのメカニズム~カルシウム・パラドックスとは?


calcium_mechanism_01カルシウムは骨が弱くなる年齢になってから摂ればいい、自分はまだ若いから大丈夫・・・
そんな風に思っていませんか?でも、それは大きな間違いです。

カルシウムが不足すると、骨を脆くして骨粗鬆症などの病気になるだけでなく、慢性的なカルシウム不足は体のあちこちに不調を起こす原因になります。

ざっと例を挙げるだけでも、

  • 不眠や不安、神経過敏
  • イライラ
  • 不整脈・動悸・息切れ
  • 手足のけいれん
  • 手足のしびれ
  • 注意力の欠如

などは、カルシウム不足が原因で起こると言われます。

そして不足した状態が長く続くと、重大な病気を引き起こす原因になってしまいます。

ここでは、カルシウム不足が引き起こす症状や病気と、その因果関係について解説していきます。

さまざまなトラブルや病気は、骨からカルシウムが溶け出すことから起こる!

なぜ、カルシウムが不足すると骨に関係のない場所でもトラブルが起きてしまうのでしょうか。

それは、骨と体内のカルシウム濃度が関係しています。 

体内で重要な役割を果たすカルシウム

体内で重要な役割を果たすカルシウムカルシウムは体内でいろいろな働きをしています。

心臓を動かしたり、筋肉の収縮、神経の伝達、血液の凝固、ホルモンの分泌などにも、カルシウムは関わっています。

血液中のカルシウム濃度が極端に低下すると、脳の働きが鈍くなり、イライラして落ちつきがなくなり、けいれんが起こって、最後には意識を失ってしまいます。

また心臓の働きもおかしくなり、脈拍が乱れ、充分に血液を送り出すことができなくなり、心臓の動きが止まってしまうことさえあります。

骨から溶け出た余分なカルシウムは悪玉に変化する

骨から溶け出た余分なカルシウムは悪玉に変化する上記のように血中のカルシウム濃度が下がってしまっては命にかかわりますから、カルシウム不足が検知されると、ただちに副甲状腺ホルモンが分泌され、骨からカルシウムを溶かし出して血液中のカルシウム濃度を一定に保とうとします。

これは骨が、生命維持のためにカルシウムの貯蔵庫として働く素晴らしいシステムですが、実は良いことばかりではなく、そのシステムに頼り切りになっては健康に害が出てきてしまうのです。

カルシウム不足が続き、いつも骨からカルシウムが流れ出る状態になると、血液中に溢れ出たカルシウムは悪玉カルシウムに変化して、血管・脳などの組織や細胞の中に入りこんで沈着し、さまざまなトラブルを起こす原因になります。

そしてこの状態が長く続くと、重大な病気を引き起こすことにもなりかねません。

これが「カルシウム・パラドックス(矛盾、ジレンマ)」と呼ばれるものです。

カルシウム不足が引き起こす13の症状と病気

続いて、カルシウム不足がもたらす具体的なトラブルを見ていきましょう。

身近なものだけでも、なんと13もあるのです

成長期にしっかり成長できない

成長期にしっかり成長できない子供が成長するということは、すなわち骨が成長することでもあります。

子供の骨の両端には、大人にはない成長腺(骨端線)と呼ばれる軟骨部分があり、この成長腺が成長することにより子供はすくすくと成長していきます。

大人になると成長腺は硬い骨になり、骨は伸びなくなります。個人差はありますが、男子では17歳~18歳前後、女子では16歳~17歳前後で成長腺は閉じてしまいます。

この時期までにカルシウムを充分に摂るとともに、子供の成長に必要な

  • 栄養素+睡眠+運動

を意識した生活習慣を確立することが大切です。

▶ もっと詳しく:成長期の子供に必要なカルシウムの量とは?

発達障害の注意力欠如、イライラ、落ち着きのなさとの関係

カルシウムは脳の神経系の情報伝達に大きな役割を果たしており、不足すると情報伝達に混乱が生じ、感情を上手にコントロールできにくくなります。

発達障害の特徴として、注意力の欠如、イライラ、落ち着きがないなどが挙げられますが、カルシウム不足がそれに拍車をかけている可能性があります。

実際にカルシウムを含めたミネラルバランスを整える食事を意識して摂ることで、感情が安定してきたという事例が多く報告されています。

▶ もっと詳しく:イライラするのはなぜ?カルシウム不足と注意力の欠如やイライラ等の関係とは?

歯が弱くなる

歯が弱くなります骨と同様、歯もカルシウムでできているため、カルシウムがなければ丈夫な歯は作られません。

カルシウムが不足すると、副甲状腺ホルモンが骨からカルシウムを取り出して、体内のカルシウムの不足を補おうとするわけですが、このとき歯からもカルシウムが流れ出し、歯が脆く弱くなってしまいます。

高血圧

高血圧血管の壁は平滑筋という筋肉でできており、血管を拡げたり狭めたりして血液の流れを調節しています。

カルシウム不足が原因で骨から血液中にあふれ出したカルシウムは、平滑筋の細胞にも入り込み、筋肉を収縮させます。

その結果血管の内側が狭くなり、血液がスムーズに流れなくなって、高血圧になってしまうのです。

夜間高血圧
1日の血圧変動の中でも、就寝後の夜間高血圧には特に注意が必要です。

夜間高血圧の人は、脳血管性の認知症のリスクが高まり、脳梗塞の発症率は健康な人の3倍以上に増加するというデータがあります。

夜間に血圧が上がりぎみな人は、特にカルシウムを充分に摂るよう心がけましょう。

動脈硬化

動脈硬化とは文字通り動脈が硬くなることです。血管の弾力性が失われ、血液の流れが滞り、体のすみずみに酸素や栄養素が行き渡りにくくなります。

動脈硬化は一般的に悪玉コレステロールが血管壁に蓄積するのが原因と言われていますが、実はその引き金になるのがカルシウムです。

血液中に溢れた悪玉カルシウムが血管壁に沈着して石灰化し、動脈硬化を加速させてしまいます。

糖尿病

糖尿病とは、血中のブドウ糖を細胞内に取り込むために必要なホルモン、「インスリン」が正常に分泌されなくなる病気です。

通常、食後に血糖値が上昇すると、膵臓はインスリンを分泌し、細胞にエネルギーを届けます。

実はこの時、血糖値の上昇を膵臓に伝えるのはカルシウムで、カルシウムが不足すると、インスリンが充分に分泌されず、ブドウ糖を細胞内に取り込むことができなくなります。

また、血中のカルシウムが膵臓に入り込んで機能を阻害するため、インスリンが作られにくくなり、糖尿病を発症することになります。

関節リウマチ

関節リュウマチ関節リウマチは、免疫の異常により、主に手足の関節が腫れたり痛んだりする病気です。

進行すると、骨や軟骨が壊れて関節が動かせなくなり、日常生活が大きく制限されてしまいます。

この病気の場合、カルシウム不足から始まる悪循環で症状はさらに悪化します。

つまり、

カルシウムが不足する

免疫の働きに異常が起こる

自己免疫による膠原病(こうげんびょう)として関節リウマチになる

リウマチの症状が進む

カルシウムが不足しビタミンDの働きが鈍くなる

さらに症状が悪化する

というものです。

このような悪循環を断ち切るためには、カルシウムを充分に摂り、活性型ビタミンDによる治療をすることが必要です。

白内障

白内障などの異常白内障は、眼の水晶体が濁ってしまい、目の奥に光が届きにくくなる病気で、視界がかすんだりぼやけたりして、新聞や本の小さな文字も見えにくくなります。

これは水晶体にカルシウムが沈着して白く濁ってしまうもので、カルシウムが不足した結果、骨からカルシウムが流れ出て体内に溢れるために起こります。

アルツハイマー病

アルツハイマー病で脳細胞が壊死する原因については、近年カルシウム不足が関係していることが分かってきました。

カルシウム不足によって、血液中に溢れだしたカルシウムが脳細胞に入り込み、脳の伝達経路を壊して、最終的には脳細胞を壊死させてしまうのです。

脳細胞は他の細胞のように再生しないため、一度死んでしまった脳細胞は元に戻りません。

そのため脳組織が委縮・減少し、痴呆(認知症)が進行することになります。

カルシウムを充分に摂り、脳細胞の中の悪玉カルシウムが増えないようにすることが、脳の働きを維持するために最良の方法と言えます。

たそがれ症候群
アルツハイマー病の特徴的な行動の一つとして、夕方になると落ちつきがなくなり、フラフラと徘徊して交通事故に遭ったりしがちなことがあります。これは「たそがれ症候群」と呼ばれるもので、血液中のカルシウムが夕方になると減少し、副甲状腺ホルモンが増えることが原因です。

その予防法としては、吸収率の良いカルシウムを昼食で摂っておくことが大切です。

骨粗鬆症

骨粗鬆症骨粗鬆症とは、カルシウム不足で骨の量が極端に減り、中身がスカスカになってしまう病気です。

症状が進むと、知らないうちに骨がつぶれて背中が曲がってしまったり、ほんの軽い衝撃でも簡単に骨折してしまうなど、骨全体がもろく、弱くなってしまいます。

骨粗鬆症になるリスクは、男性に比べ50代以降の女性が高い傾向にありますが、男性も油断はできません。

生涯現役で元気な老後を過ごすためにも、30代を過ぎたら早めの骨ケアを心がけましょう。

▶ もっと詳しく:30才から骨ケア。早めの予防が骨粗鬆症を防ぐ!

ガン

カルシウム不足によって血液中のカルシウムが不足すると、細胞間の情報伝達機能や免疫力が著しく低下してしまいます。

そうなると、当然ガンが発生したときにいち早くその情報をキャッチできなかったり、ガンが小さなうちに免疫細胞がそれを食べてしまうという防衛機能が働きにくくなります。

その結果ガン細胞は増殖を続けていくことになります。

最近の研究で、体内で悪事を働く発ガン性物質を、カルシウムが捕まえて結合し、結晶化して体外へ排出してくれることが分かってきました。

特に大腸ガンでの予防効果が大きく、今後のガン予防の切り札の一つとして期待されています。

まとめ

カルシウム不足が続くと、骨がもろくなるだけでなく、体内に悪玉カルシウムが増え、代表的なものだけでも13のトラブルを引き起こす可能性があることを見てきました。

「カルシウム・パラドックス」とは絶妙なバランスの必要な、繊細なメカニズムですよね。

でもこの仕組みが分かれば、健康のためいかにカルシウムが重要であるかが理解できます。

カルシウムは、成長期や高齢になってから摂れば良いというものではありません。

カルシウムはどの世代にとっても、最も重要な栄養素の一つです。

1日の必要量を知り、毎日しっかり摂って元気な毎日を送りましょう。

日本人が普通に食生活を送っているだけでは、この数十年、カルシウムの必要量はほとんどの世代がクリアできていません。

▶ 参考:1日に必要なカルシウムの量とは?カルシウム摂取の現状と推奨量。

カルシウムを補うにはサプリメントが手軽で確実!

eiyoushi01必要量をしっかりと満たすためには、現在の食生活に、サプリメントをプラスするのが確実で有効な方法です。

管理栄養士として、もっとも手軽なカルシウム補給方法としてカルシウムサプリメントをおすすめします。

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【監修者】管理栄養士 afcom

管理栄養士 afcom

アメリカにて高等教育終了後帰国し、食物栄養学部を卒業。大学研究室にて秘書、翻訳も経験。現在は管理栄養士として栄養関連記事の執筆、栄養指導、英日・日英翻訳に携わり、健康と元気に関する正確な情報発信に努めています。